通常の終身保険は、契約した際の予定利率で責任準備金を積み立てていくのに対して、積立利率変動型終身保険は、定期的に保険料の運用実績から積立利率を見直すため、保険金額や解約返戻金が変動する保険です。
似た保険商品に変額保険がありますが、変額保険は特別勘定であるのに対して、積立利率変動型終身保険は一般勘定で取り扱われる保険です。また、解約返戻金にも最低利率が適用される点が変額保険と異なる特徴であり、変額保険に比べリスクを抑えながらインフレや金利変動に対応することができます。
基本保険金額は運営実績に関係なく保証される
積立利率変動型終身保険では、運用実績によって積立利率が更新されるため、インフレによる保険金額の価値が下がることを抑え、金利の上昇によって保険金額や解約返戻金も増額されます。
逆にデフレの状態であっても最低利率は保証されるため、基本保険金額や解約返戻金の減額は起こりません。また、すでに積立てられた積立金はその後の運用実績の影響を受けないため、長期の運用であれば、保険金額や解約返戻金が増額される可能性が高くなります。
保険料が終身保険よりも高い
変額保険と異なり一般勘定で運用される積立利率変動型終身保険は、保険会社が運用の責任を負っており、保険金額・解約返戻金共に最低利率が保証されていることから、保険料が高めの設定となるため、必ずしも解約返戻金返戻率が高くなるとは言えません。
インフレリスクに備えることができるものの積立利率が高くならなければ、資産運用としての効果はほとんど見込むことができず、解約のタイミングによっては大きな元本割れの恐れもあります。死亡保障としてもローリスク・ローリターンとなる保険です。
積立利率変動型終身保険早わかり
- 積立利率変動型終身保険はインフレリスクに対応することができる
- 積立利率には最低保証があるが保険料は割高となる
- 運用実績によっては解約返戻金の返戻率は悪くなる
- 積立利率変動型終身保険は手堅い運用向き
先の見えないリスクに応えるよくできた保険ですが、保険料が高いことが一番のネックです。景気の流れによっては、大きな力を発揮することができますが、投資目的で加入するのではなく、手堅く自身の資産を守るといった目的での加入が望ましいでしょう。