一般に定期保険というと平準定期保険(以下、定期保険)のことを指します。
定期保険は、責任開始日から満期日までの保険期間中に被保険者が死亡または高度障害状態となったときに保険金を受け取ることができます。つまり、定期保険とは期間が限定されている保険ということになります。
また、定期保険には満期保険金や解約返戻金がないため、貯蓄性のない掛け捨てタイプの保険として敬遠されがちですが、「一定期間の保障」という商品を購入するという意味では、もっとも割安の保険と言えます。
小さな負担で大きな保障を得られる
定期保険は、保険料が安く高額保障を受け取ることができるため、生活水準を下げることなく万が一に備えることができます。
特に子育て世代では普段から子どもの養育費や教育費がかかりますし、もし一家の大黒柱に万が一があった場合には大変なことになります。このような場合に少しでも出費は抑えることができ、子どもが独立するまでの期間に限定して保障できる定期保険が役立ちます。
教育費だけでも1,000万円(公立のみの場合)から2,500万円(私立のみの場合)必要だと言われていますので、30歳男性の子どもが0歳から成人するまでの20年間限定で定期保険による保障を考えた場合、次のようになります。
定期保険の期間の決め方は更新型と全期型の2種類
定期保険には、10年間・20年間のように年数で保険期間を定める更新型(年満了)と60歳まで、65歳までというように年齢で保険期間を定める全期型(歳満了)の2種類があります。
一定期毎に保障内容を見直せる更新型
更新型の定期保険は一度加入してしまえば、その後、病気などで体調を崩したとしても満期を迎えるたびに更新することができます。
通常は同じ保障内容のまま自動更新となりますが、保険料が大幅に上がってしまうため、一定期毎にライフステージやライフプランに合わせて保障の見直しを行う必要があります。
例えば、年齢を重ねるごとに必要になる教育費の減少や給料の増加が考えられますので、常に3,000万円の保障は必要ないということであれば、更新毎に見直すことで出費を抑えることができます。
以下の例では、10年満了の死亡保障(保険金)3,000万円の定期保険をそのまま自動更新した場合と満期ごとに死亡保障を見直した場合の比較になります。
更新のたびに保障額を見直し保険料をできるだけ平準化するのであれば、逓減型定期保険や収入保障保険といった選択肢もあります。
長く同じ保障を得るのであれば全期型
全期型の定期保険は、若いうちの保険料が高くなってしまいますし、満期を迎えてしまうと更新することができませんが、長く同じ保障を継続するのであれば全期型の方が更新型よりも保険料を抑えることができます。
10年満了の更新型では、死亡保障を3,000万円のまま30年まで更新していくと累積保険料は3,756,000円となりましたが、同じ30年でも全期型であれば3,420,000円とおよそ30万円以上の差がつくことがわかります。
定期保険早わかり
- 定期保険は一定期間のみを保障する保険
- 定期保険には満期保険金や解約返戻金がない
- 定期保険は保険料の負担が小さく大きな保障を得られるため、特に責任の重い期間におすすめ
- 定期保険には更新型と全期型ある
⇒更新型はライフステージやライフプランに応じて見直しやすいが、年齢とともに高額になる
⇒全期型は同じ保障内容で長く継続したい場合に割安になるが、満期時に更新することができない
定期保険は、「掛け捨てだから」と敬遠されがちですが、あなたのライフプランやライフステージに合わせて適切な保険プランを選ぶことで無理せず効率よく万が一に備えることができる保険です。まずは、保険だけでなくあなた自身の幸せな将来も含めてライフプランを考えてみてはいかがでしょうか。