少し高い買い物をしたときに分割払いか一括払いかを指定することがあると思いますが、保険契約でも同じように保険料の月払いや年払いが分割払い(都度払い)、保険料を最初の一回ですべて支払ってしまうことを一括払いというように支払方法を指定できる場合があります。
一括払いには一時払いと全期前納の2種類がある
一時払いと全期前納の2つはどちらも一括払いであり、保険を契約したときに保険料を一度に支払う点が同じであるため、保険料を支払う立場からすると大きな違いがないように見えますが、とても重要な違いがあるのでよく理解して選ぶ必要があります。
一時払いとは全ての保険料を一度に支払ってしまうこと
一時払いは、保険契約時に契約期間内の保険料を全て支払ってしまうことになります。例えば、10年払込の保険を一時払いするということになれば、10年分(12×10年=120か月分)の保険料を支払うことになり、とても大きな額を一度で支払うことになります。
保険会社側からすると一度に保険料を受け取れるため、月払いや年払いのように都度払いと比べ、受け取りにかかる手間が少なくなることになります。
契約者側からすると手数料を必要としない保険料となるため、非常に保険料の負担が軽くなりますが、支払った保険料に相当する期間より少ない期間で保険事故が発生した(未経過期間がある)場合でもすでに支払った保険料は戻ってくることはありません。
つまり、一時払いにすると保険料払込期間分生存していれば多少の保険料を節約することができますが、保険契約後に早く死亡すればするほど大きな保険料払い損になってしまいます。
また、最初の年に全ての保険料を支払うことになるため、生命保険料控除も保険料を支払った最初の年だけとなってしまいます。
全期前納とは全期間分の保険料を前もって預けておくこと
全期前納は、保険料を一括して保険会社に預けるという形になり、保険会社は預けられた保険料を都度払いと同じように処理しますので、保険事故が起きた際に未経過期間分の保険料は戻ってくることになりますし、払込期間が満了となるまでの間は生命保険料控除を受けることもできます。
ただし、預けた保険料の処理や年毎の生命保険料控除に関する処理に手間がかかり、その分の手数料が必要となりますので、保険料総額で比較すると一時払いよりも高くなります。
とは言え、全期前納も一括払いの部類となりますので、有期払い(都度払い)よりも保険料総額が安くなります。
※保険会社によっては保険料に差がない場合もありますので、事前に確認する必要があります。
一括払い早わかり
- 一括払いは保険契約時に全ての保険料を保険会社へ支払うこと
- 一括払いには2種類ある
⇒一時払い:保険料をすべて支払う
⇒全期前納:保険料をすべて預ける - 一時払いはもっとも保険料総額が安くなる
- 一時払いは未経過期間の払戻しはなく生命保険料控除も一度だけ
- 全期前納は未経過期間の保険料の払戻しがあり生命保険料控除も毎年受けられる
- 全期前納は一時払いに比べて保険料が割高
未来のことは誰にもわかりませんが、現在のライフスタイルや健康状態、契約時の貯蓄などを考えながら選択することで保険料をよりお得に抑えることができる可能性があります。
一時払いと全期前納では、異なる点もありますが一度に大きな金額を動かすことに変わりありませんので、その後の生活に無理がかからないようにしたいところですね。