一時払とは、保険契約時に保険期間全体の保険料を全額支払うことをいいます。
一時払いにすると保険料は割安になり、払込満了まで毎月保険料を支払う有期払いと比較すると、数十万、場合によっては百万単位で保険料に差がでることもあります。
一時払いがお得になるのは何年も先のはなし
一時払いにすることで保険料の負担額が割安になることは確かですが、一時払いした保険料は未経過期間の有無にかかわらず払戻しされることはありません。
つまり、保険料払込期間35年の有期払いであれば、20年後に被保険者が死亡した場合は20年分の保険料払込終了となりますが、一時払いである場合は、割引があるとはいえ、すでに支払った35年分の保険料はもちろん未経過期間である15年分の保険料も戻ってくることはありません。
終身保険における一時払いと有期払いでの保険料を比較すると保険契約から30年5ヶ月後までは有期払いの方が少ない保険料になることがわかります。
生命保険料控除は最初の1回だけ
毎年、年末調整の時期になると生命保険料控除証明書を確認しながら書類へ記入することもあると思います。生命保険(新契約)の場合は最大で所得税4万円、住民税2万8千円の控除を受けることができます。
先ほどの終身保険の例であれば、有期払いでも一時払いでも最大額の控除を受けることできますが、有期払いでは毎年控除を受けることができるのに対し、一時払いでは保険料を支払った年のみの控除となります。
メモ
簡単な例ですが、
- 有期払いの場合:
所得税 = 40,000円 × 35年 = 140万円分の控除
住民税 = 28,000円 × 35年 = 98万円分の控除 - 一時払いの場合:
所得税 = 40,000円 × 最初の1年のみ = 40,000円分の控除
住民税 = 28,000円 × 最初の1年のみ = 28,000円分の控除
収入により税率が変わりますので誰しも同じとは限りませんが、所得税・住民税どちらも10%だとすると
- 有期払いの場合:
(4,000円(40,000円の10%) + 2,800(28,000円の10%))× 35年 = 238,000円 - 一時払いの場合:
(4,000円(40,000円の10%) + 2,800(28,000円の10%))× 1年 = 6,800円
一時払い早わかり
- 一時払いの方が有期払いよりも保険料が割安になる
- 一時払いでは払済保険料は未経過期間があっても払い戻されない
- 一時払いでは保険料を支払った年のみの生命保険料控除となる
保険料控除を考えたとしても払込満了までの期間で考えれば、一時払いの方がお得なことは確かです。メリットやデメリット、リスクを考えながら支払方法を考えることも大切です。
リスクのための保険なのに、保険自体のリスクを考えてしまうのもおかしな話ですが、無駄な出費を抑えるのも大切ですので参考にしてみてください。