テレビCMや保険屋さんからの電話などを受けて、ふと「あの保険どうだったかな?」、「保険の見直しってどう考えればいいのかな?」というようなことありませんか?
という場合は、特に要注意です。
とは言え、保険というと少し難しいイメージもあり、更新時期にひょっこり現れる保険屋さんに任せておけばいいやと考えてしまうのもわかります。
ですが、保険は人生で2番目に高い買い物だといわれています。適切なタイミングでの見直しを行っておかないと、
- 本当に必要な保障を受けられなかった
- 不要な保障のために保険料を払い続けていた
と買っただけで何の役にも立たないことになってしまいます。
そうならないために、積極的に適切なタイミングを考え、そのタイミングに合った、本当に必要な保険だけに見直すことができれば、無駄な保険料を支払う必要はなく、十分な保障を得ることができます。
保険の見直しは、更新の時期や保険料の負担がきついなと思った時だけではありません。ましてや、保険屋さんがひょっこり現れたときだけではありません。
保険の見直しを行うべきタイミングは、大きく分けて5回あります。
そのタイミングは、あなたに万が一があったときでも、苦労をかけたくない、守りたいと思う家族に変化があったときです。
保険の加入や見直しの前にまず人生設計を
人生設計と聞くと難しそうだなと思うかもしれませんが、そんなことはありません。人生の中での大きな出来事はいくつかに絞られます。
例えば、就職・結婚・出産・家購入・子どもの独立・定年退職などです。
さすがに、○歳で結婚して、○歳で子どもができてというように具体的な年齢を当てはめることは少々難しいかもしれませんが、保険に加入する目的や必要な期間を明確にすることで保険のムダを少しでも減らすことができます。
また、結婚をすれば、家族が増えることになります。夫婦間で子どもは何人くらい欲しいなというような会話も自然と出てくるでしょうし、いつかは持家をという将来の展望も見えてくるかもしれません。
では、どのくらいのお金が必要になるのでしょう。これが必要な保障額を決める手助けになります。
あなたがどのような保障をどれくらいの期間にわたって必要なのかは、出来事や収入によって変わってきますので人生設計を行いながら、
- 保険に加入する目的がはっきりしているのか
- 加入する保険は目的に合っているのか
- 保険に加入する以外で目的を果たすことができないのかどうか
- 保険料は妥当か、生活の負担になっていないか
をよく吟味してみましょう。例えば次のように節目ごとに保険を見直してみましょう。
就職したときに考える保険
若いうちは、大きな病気は少ないかもしれませんが、ケガの心配はつきものです。就職したてで貯金もあまりない時期に万が一入院というようなことになると不安ですよね。
そこで医療保険への加入を考えます。医療保険は、安いものであれば1,000円/月前後のものもありますので、小さな負担で保障を得ることができます。
特に、がん家系であるなど、遺伝的に病気の心配が大きい場合には、医療保険に併せて、がん保険に加入するといった選択が良いかもしれません。
ただし、遺伝的な病気の心配もあまりないのであれば、若いうちは病気やケガにおいても長期の入院の可能性が低いと考えられますので、保険に加入することなく、万が一に備え毎月保険料を支払ったつもりで貯蓄しておくという選択肢もあります。
貯蓄であれば、どうしても入用となった場合に自由に使えるわけですから、30歳までは貯蓄で備えて30歳を過ぎたら保険で備えるという風に考えれば、30歳までに貯蓄したお金で贅沢することもできるかもしれませんね。
どうしても貯蓄が苦手ということであれば、保険に加入するという選択肢も生きてきます。
結婚したら配偶者のことも考えて保険の選択をする
結婚をすると、あなたの家族が増えるということになりますので、お互いのことを考えた保険選びが必要になってきます。
保険選びをする際に重要なのが、共働きかそうではないかです。
共働きの場合
共働きであれば、お互いにカバーし合うことができ貯蓄することも可能でしょうから、あまり大きな保障は必要ありませんが、万が一の場合、二人分の家賃(または引越費)やローンを一人で支払う必要が出てきたり葬儀代も必要となります。
医療保険に加入しているのであればそのまま継続しつつ、葬儀代のようにいつか必ず必要になるものについては、200万円程度の終身保険を考え、その他必要に応じて定期保険に加入しておけば、万が一の場合でも対応することができます。
共働きではない場合
共働きではない場合、収入のある側に万が一があると収入源が絶たれるだけでなく、扶養から外れることになるため、国民年金、国民健康保険料など大きな負担を強いられることになりますので、葬儀代だけでなく当面の生活費を考えると共働きと比べて大きな保障が必要となります。
いずれ就職したりパートタイマーとして収入を得るとしても、葬儀代として200万円程度の終身保険+収入保障保険や定期保険での500万~1,000万程度を考えておくと良いでしょう。
あなたに万が一があっても子どもの未来を守るための選択をする
子どもが生まれ家族が増えると必要となる生活費が増えるとともに、教育費についても考えなくてはいけません。また、共働きではなくなることもあり、必要となる保障額が大きくなることが予想できます。
万が一のことが起きたとき、生活費はどうにか工面するにしても子どもが独立するまでの教育費は小さな額ではありません。それこそ、それまでの貯蓄だけでは難しい場合が多く保険を見直す良い機会と言えます。
参考程度の数字ですが、子どもが独立するまでにかかる教育費は、幼稚園から大学卒業までがすべて公立だった場合1,000万円程度、すべてが私立だった場合3,000万円程度必要であると言われています。
もちろん子どもの人数や子どもが望む将来によって必要額は変わりますので、一概にこの程度の額が必要とは言えませんが、4,000万~5,000万円程度の定期保険や収入保障保険に加入されている方が多いようです。
家を購入すると保障額を下げるという選択肢もあり
家を購入し住宅ローンを借りた場合、ほとんどの人が団体信用生命保険(団信:だんしん)に加入することになり、住宅ローンの債務者に万が一があった場合、残りのローン分が保険金として支払われることになるため、残された遺族は住宅ローンのことを気にすることなく生活することができます。
つまり、家を購入し団信に加入することでローン額と同等の収入保障保険に加入したのと似たような効果があると考えていいわけなので、生命保険の保障額を減らすことで保険料の負担を少なくすることができます。
ただし、持家の場合、固定資産税などの維持費が必要となり、そのまま差引額で考えると死亡保障額が足りないといったことになりますので、団信への加入とのバランスを考え、無理ない負担に抑えられるように保険の見直しを行いましょう。
子どもの独立と定年退職
子どもが独立することで必要となる生活費は少なくなるので、子どもが生まれる前と同じような内容に戻せばいいんじゃないかと考えるかもしれませんが、自分たちの老後について積極的に備える準備を始める時期となります。
これまでは、万が一のときに残された遺族を守るために死亡リスクを考えた保険選びでしたが、定年を迎えた老後をより豊かに不自由なく生活していくために長生きリスクを考えた個人年金保険や医療保険の充実化を視野を向ける必要があります。
しかし、保険はたくさん加入するほど損をする商品ですので、子どもが独立するまでに十分な貯蓄を行っておくというのも大切です。貯蓄を行った上で足りない分を補うつもりでの保険加入をおすすめします。
将来もらえるであろう年金や退職金のことを考慮しながら保険を選びましょう。
あなたに合った保険は一つだけ
保険は、損得勘定では計れない大切な家族を守るために必要なものです。
とは言え、現在の生活を圧迫するような保険の入り方は本末転倒です。
また、各ご家庭によって家族構成や年収なども異なるわけですから、他人がどれだけ良い保険だと言ってもあなたにとって最適な保険であるとは限りません。
保険のことをよく知り賢く選択しながら無理なく大きな安心を得ましょう。
よくわからないときには、保険外交員(保険販売のプロ)ではなく、ファイナンシャルプランナー(保険相談のプロ)に相談しながら、目的や必要な保障内容を明確にし納得してから加入することをおすすめします。